今年も絵本教育研究所は、いじめ問題の解決・撲滅に取り組んでいるユース・ガーディアンの共同宣言に賛同いたしました。
一人でも多くの子どもたちに「味方となってくれる場所がある」ということを知ってもらえたらと思います。
絵本教育研究所では、いじめをしない子にこころを育てます。
どんな困難も、自ら乗り越える術を得られるように、こころを育てます。
そんな想いで活動を続けています。
でも、今まさにこのとき、いじめで悩み苦しんでいる子は、今救わなくてはなりません。
どうかこの共同宣言が、必要な子どもたちに、そしてその周囲の人たちに届きますように。
道はここにある、ということを知ってほしい。
絵本教育研究所代表 岡松久美子の切なる想いです。
ユース・ガーディアン 「いじめ自殺防止のための共同宣言」
【いじめ自殺防止のための共同宣言】
学校に行きたくなかったら、行かなくてもいい。
学校が君にとっての地獄なら、行かなくてもいい。
ただ、教えてほしい、何があったのか?何が起きたのか?
もし、今、話すことがつらかったら、話せるときまで私たちは待っている。
命はリセットできない。
想像してほしい。君がいなくなってしまったら、君の大好きな人たちがどれだけ悲しむのか。
君につらい思いをさせた人たちは反省するのか?罪を償うのか?
逃げる場所は必ずある。
もしも、君が逃げるなら、この宣言に賛同したすべての団体とすべての人たちが、君の逃げ場を探す。
もしも、君が戦うのなら、この宣言に賛同したすべての団体とすべての人たちが、君を徹底的にサポートする。
私たちは、君が声をあげてくれないと、君を見つけ出すことができない。
だから教えてほしい。
私たちは、君の話を聴く。
君の元へ駆けつけて、直接助けることもできる。
だから、ちょっとだけ勇気を出して連絡してほしい。
一人では大変なら、私たちに連絡してくれればいい。
必ず、その勇気に応えるサポートをする。
ひとりで悩まず、いますぐ相談してください
ナビダイヤル:0570-090-112
受付時間:平日AM11:00~PM7:00 完全無料
NPO法人若者メンタルサポート協会(東京都)
24時間相談対応全般、受け入れ対応(準備中)
(HP)http://www.wakamono-support.jp
※保護者の方、教職員の方からの相談も受け付けております。
死にたいと生きづらさを抱える若者の無料相談をしています。
孤独な家庭環境から、いじめ・ドラッグ・自殺未遂など多数の波瀾な経験を乗り越えてきた代表岡田沙織が、24時間LINE(窓口LINEのID『heartin0212』)や電話でみんなの心の叫びを受け止める活動をしている協会です。
4月1日、絵本教育研究所は開業2周年を迎えることができました。
絵本教育研究所は、みなさまからのご依頼に支えられて、活動を続けることができています。
本当にありがとうございます!
そして、当初の目標であった、教育・子育て系のご依頼がほとんどを占めるようになりました。
子どものいないわたしに、子育てや教育に関する講演・講座の依頼をいただけるなんて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
実は、2018年度は、ますますこの分野が広がっていくことがはっきりとしています。
まず、大学の教壇に立つことが決定しました。
現在、絵本で活動されている方ならよくご存じの「絵本専門士養成講座」という講座があります。
毎年、全国で60名ほどしか生まれない絵本のスペシャリストを育てる講座です。
名を連ねている講師は、みんな超有名な方々ばかりです。
今年度から(正式には来年度スタートです)大学でも、同等の能力を持った人を育てようと、「認定絵本士養成講座」という講座が始まります。
大学でこの資格を得て、現場で3年程度経験を積み、認められた人には「絵本専門士」の資格が得られるというものです。
今年度、茨城県と大阪府の大学2校が、先行導入しスタートします。
この「認定絵本士養成講座」の講師として、大阪府東大阪市にある大学に登壇することになりました。
カリキュラムはなんと、「絵本専門士」と同じ。
30コマのうち、3コマ担当させていただきます。
そして、奈良県立高校でも授業を担当します。
こちらは、昨年初めて2コマ担当させていただいたのですが、今年度はコマ数を増やしての登壇です。
これらがきっかけとなり、今後ますます学校関係での登壇が増えてくると思われます。
わたしがここまで学校教育にこだわるのは、人間を育てる職業である教員が、人間のこころのしくみを学ばずに
いえ、教員養成課程にないのだから、知らないのは当たり前なんですけど・・・
その状態で学校現場に立っていることの危機感を、ずっと持っていたからです。
大学で学ぶ心理学は、あくまでも学問ですから、教育の現場に沿った内容ではないでしょう。
学問としてではなく、実生活に役立つ心理を学ぶことが必要ではないかと、わたしは考えています。
そして今、学校現場だけでなく、社会全体において
「自己肯定感が低く」
「自分を好きになれない」
「ありのままの自分を認められない」
「生きているのがしんどい」
「みんなと違って辛い」
「自分の気持ちがわからない」
「自分の力で問題解決できない」
こういった人が増えています。
そして、(本人にはそのつもりはないけれど)安易に命を絶ったり、人を(肉体的・精神的に)傷つけたり、毎日もがき苦しんでいる人が大勢います。
あと20年もすると、今ある職業の65%近い職業がなくなると言われ、ロボットが代行する時代へと移行していくそうです。
今すでにそうなっている業界も出てきていますね。
そうすると、日常でどんどんこころを通わせる機会が減ってくるでしょう。
一日誰とも話さずに済むことも多くなってくるでしょう。
それでもわたしたち人間は生きています。
生きている限り、こころ通わせないで生きていくことは不可能です。
こころ通わせないようになるということは、人間の滅亡を意味します。
今、この時代だからこそ、「こころ」が大切になってくるのだとわたしは確信しています。
だからこそ、「こころのしくみ」を正しく学ぶことが大切になる。
実生活に沿った「こころのしくみ」を、大人も子どもも学ぶ必要がある。
そうすることで、ほんの些細なことでのトラブルや、こころの病も、今よりずっと減っていくはずです。
これからはより一層、こころの時代が叫ばれる時代となっていくでしょう。
「こころって何?」
「心理って何?」
こんな難しそうなワードを、絵本を使って簡単に知ることができ、また実生活に役立つ講座・講演をしているのが絵本教育研究所です。
2018年度も「絵本でこころを育てよう!」をキャッチフレーズに、「自分で自分のこころを育てる人」をたくさん増やしていきます。
3年目を迎えた絵本教育研究所を、今後ともどうぞよろしくお願いします。
「死」の話題を避ける。
「死」を、ネガティブなイメージで捉える。
親族が亡くなっても、子どもにご遺体を見せない。
自宅の前に霊柩車が通るのを嫌がる。
わたしが疑問に感じている、現代日本の傾向です。
先日、TVのニュースを見て呆れてしまった。
最近は、霊柩車が街を走れないというのです。
昔、街中でよく見た霊柩車。
最近では、その車を見ただけでは霊柩車だとわからない車(霊柩車)に変わっていっているそうです。
地域によっては、昔ながらの霊柩車は走ってはいけないというところまであるそうで
その車は、火葬場にも入れないんだとか。
葬儀場近くの住民も、「うちの家の前は走るな」とか言うんですって。
そのニュースを見て、「はあ????」
あのさあ、あんたたちもいずれ死ぬんだよ。
人間の致死率は、100%!
他人の死を避けるということは、自分の死についても目を逸らしてるってことじゃあないですか?
人間は、生まれたそのときから「死」に向かっているんです。
生きているときから「死」と向き合うからこそ、「今、自分は何をすべきか」が見えるし、いざ死を宣告されたときにうろたえずに現実を受け止めることができるのです。
核家族化が進み、ご近所付き合いも薄くなって、人の死に触れることが圧倒的に少なくなってきています。
だからこそ、意識的に考える必要があると、わたしは思うのです。
赤ちゃんが生まれたときには、周囲は喜び、お祝いムードとなります。
でも、本当に心から「生」を喜び、感謝するには、人生を終える「死」をしっかり受け止めることができてこそ。
もっというと、出産は、命がけなのです。
わたしの妹は、出産時に危篤状態に陥り、奇跡的に助かりはしましたが、一時は本当にダメかもしれないと思いました。
いつ何時がんを宣告されても、いつ何時大切な人がいなくなっても、しっかり現実を受け止めることができるよう、今から自分のこころを育てておくのも大切だと思います。
ちなみに、学校教育の中でも、助産師さんが出産について講演したり、赤ちゃんを抱っこする授業があったりしますが、「死」についての授業は圧倒的に少ない気がします。
授業をする先生自身が、「死」について深く考えたことがないため、難しいと感じているのかもしれませんね。
今日の絵本は、「人間の死」について深く考えられるものを選んでみました。
今日は、絵本を通して、自分の「死」について、大切な人の「死」ついて考えてみてはいかがでしょうか。
「小学生のボクは、鬼のようなお母さんにナスビを売らされました」
原田剛 著/筒井則行 絵/ワイヤーオレンジ 刊
道徳の授業が、教科化(「特別の教科 道徳」)になり、小学校では2018年度から、中学校では2019年度からはじまります。
中学の学習指導要領を見てみると、大きく4つに分類されていました。
2.「人との関わりに関すること」の中で、このようなことが書かれている箇所があります。
「自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、それぞれの個性や立場を尊重し、いろいろなものの見方や考え方があることを理解し、寛容の心をもって、謙虚に他に学び、自らを高めていくこと」
あ~、もう!
なんで、こんなにわかりにくく書くんでしょうね。
分解すると、こんなにもたくさんのことが書かれていることがわかります。
なんとも欲張りですねえ。
こんなにたくさんのこと、一体どうしろというのでしょう。
ぜひとも教えてほしいわ!
なんて嘆き、ぼやいている先生方が、どれほどいらっしゃることか。
心中お察しいたします。
そんな先生方に朗報です!
上記の条件をクリアする授業プログラム(指導案)があります!
それは・・・
絵本教育研究所の「絵本 DE こころの授業」です。
このプログラムは、絵本と心理を使ったワークショップ形式の授業ですが、柱となるのは、「自己肯定感を高めること」
上記の項目にあてはめると・・・
道徳の授業を行う上で大切なことが、二つあります。
一つ目は、「価値観を押しつけない」ということ。
しかし、この価値観を「押しつけない」というのが簡単なようで難しい。
「絵本 DE こころの授業」では、授業のテーマに合う絵本を読んだあと、自分で考え、書くことで、自分と向き合います。
そして、グループで話し合うことで、自分と違う意見に出会い、価値観の違いに気づきます。
時には、何かを制作することもあります。
「そんなのいつもやってるよ」
という先生もいらっしゃるかと思います。
以前、某中学校で打ち合わせをしていたとき
担当の先生から聞いた
エピソードをご紹介しましょう。
道徳の授業の際に
生徒のみんなに、固定観念を捨てて、自由な発想・自由な発言をしてもらおうと思い、授業のはじめにこんなことを言ったそうです。
「頭を真っ白なキャンバスにしてください。
そして、そこから自分なりの色をつけていってください」
ところが、それを聞いたある女子生徒が、手をあげてこう言ったのです。
「先生!なんで白じゃないといけないんですか?
他の色じゃ、ダメなんですか?」
このことばに、先生は
「そうか、これがすでに価値観を押しつけているってことなんだ」
と、気づかれたそうです。
そうなんですよね。
白でないといけない理由なんて、どこにもないですもんね。
ただ固定観念を捨ててもらおうと、わかりやすく伝えようと思って言っただけなんですよね。
でも、ついやっちゃうんですよね、こういうことって。
本当に、無意識に。
なぜ白じゃないといけないのか、と言った生徒さんのおかげで、先生は、自分がいかに固定観念に縛られていたかに気づくことができたんですね。
勇気をもって発言した生徒さんも、それを言える環境作りをしている先生も、そして、価値観を押しつけていたと気づいたことにも、本当に素晴らしいと思いました。
もし、「何を言ってるんだ!」と、その生徒に怒っていたら、事態は最悪だったと思います。
恐らく「先生の喜ぶことを言えばいいんでしょ」ってことになり、みんな当たり障りのない同じ意見を言っていたと思います。
道徳の授業としては、大失敗ですね。
道徳の授業を行う上で大切なことの二つ目に、何を言っても受け入れてもらえる「環境」だと、わたしは思っています。
前述の先生は、ご自身のクラスに、そういう環境を作っていらっしゃったので、生徒さんが自由な発言ができて、先生も良い気づきを得ることができたんですね。
これが、ひとつの理想の道徳の授業なのではないかな、と思いました。
答えはひとつでなく、いろんな角度から見ることで解釈も違って、それが人間なのだと。
「十人十色」
知識として理解するのではなく、自分事として「腑に落ちる」「体験する」
これが大事なんだと思います。
「絵本 DE こころの授業」では、生徒が考え、表現し、体験すること。
そして、「先生自身が授業をする」ことを目指しています。
「えっ? 先生がするの?」と思われました?
もちろん、最初は絵本教育研究所が外部講師(特別授業)として授業をさせていただき、実際にどのようなプログラムなのかを見ていただきます。
しかし、毎回、外部講師が来ないといけない授業では意味がありません。
本来は、担任の先生がされる授業ですから、普段から生徒さんと関わっている担任の先生が、絵本を上手に使って授業ができるよう、現場の先生方の協力を得ながらプログラムの開発を続けています。
ただ絵本を読んで、主人公の気持ちを読み取るといった授業でなく、生徒ひとり一人が自分と向き合い、感じたことを正しく表現できること。
そして、価値観の違いに気づき、受け止め、価値観の違う者同士がどう関わっていくのかを、自分事として捉えられる授業を、絵本教育研究所は目指しています。
興味を持たれた先生がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。
せっかくなので、学習指導要領の各項目にピッタリの絵本をご紹介します。
たくさんありますが、きりがないので一冊ずつにしておきましょう。
どの絵本も、人によって解釈が違うと思いますよ♪
だまされたと思って、複数の人に読んで、感想を聞いてみてください。
3.集団や社会との関わりに関すること
「おかあちゃんがつくったる」長谷川義史:著/講談社:刊
「良い絵本の見分け方を教えてほしいんです」
と、質問を受けることがあります。
良い絵本・・・
う~ん、困りましたねえ。
商業出版されている本というのは
その道のプロが「良い作品だ!」「売れる!」と判断し、作っているので「全部良い絵本」のはずなんです。
恐らく、その人の「目的に合った絵本の選び方」という
意味ではないかと推察します。
私が選書するときに気をつけているのは、
まずは、TPOです。
「いつ」「どこで」「誰に向けて」「どんなテーマで読むのか」
ということです。
当然といえば当然のことですね。
例えば・・・
「夏休み(終戦記念日)に、小学5~6年生50人の前で、平和をテーマに絵本を読み聞かせする」
このようなシチュエーションの場合
どういうところに気をつけて選ぶでしょうか?
時 期 ・・・ 終戦記念日
場 所 ・・・ 小学校
対 象 ・・・ 小学5~6年生
人 数 ・・・ 50名
テーマ ・・・ 平和、戦争
わかっている情報は、上記の5つです。
今回は、わかりやすく解説するために
絵本は一冊に限定し、同じ作者(長谷川義史さん)で考えてみたいと思います。
以下に三冊の候補を挙げてみます。
上記、三冊の中から
一冊しか読めないとしたら、どの絵本を読みますか?
わたしなら、こう考えます。
【Aの絵本】
これは、テーマには合いませんね。
今回は、終戦記念日の平和学習がテーマです。
ということで、わたしなら使いません。
【B の絵本】
これは、テーマにはピッタリですね。
でも・・・わたしなら選びません。
長谷川さんの絵は、顔を大きくまんまるに描くのが特徴です。
このお話が実話だということを踏まえると、絵にリアリティが感じられないんです。
【Cの絵本】
沖縄の小学一年生が書いた詩に、長谷川さんが絵を描かれたという作品です。
三冊の中から選ぶなら、わたしはこれを選びます。
小学生の作品ということで、聞き手の子どもたちも興味を持ってくれやすい。
絵もシンプルで遠目がきく。
テーマにも合っていますね。
本来は、もっといろんな条件が必要なんですが、わかりやすく説明するために、あえてシンプルにしてみました。
ただ、上記の解説は、「わたしだったらこうする」というだけで、これが100%正しいということではありません。
あくまでわたしの価値観で選んだらこうなるというだけです。
もっと突っ込んで言うと・・・
わたしなら、上記三冊とも選びません(^_^;)
(自分で候補を挙げておいてすみません)
もし、たった一冊しか読めないのであれば
別の作者の絵本を選びます。
まだまだ、いろんな絵本があります。
とにかく自分が知ってる絵本と、新しく探して見つけた絵本を列挙します。
そこから、
などの追加情報を考慮に入れながら、聞き手の子どもたちに伝えたい自分の想いをほんの少し乗せて、最終的に一冊に絞り込みます。
いかがでしょうか。
大切なことは
なのではないでしょうか。
そう、読み手(自分)の気持ちもとっても大事なんですよ。
読み手の気持ちって、聞き手に伝わってしまうんです。
ですから、わたしの「好みに合わない絵本」は読みません。
大げさかもしれませんが、「読んでいて、気分が悪くなる」「怒りを覚える」こともあります。
わたしなりに、明確な理由はあるんですよ!ちゃんと。
わたしだって生身の人間ですからね、当然好き嫌いはありますよ。
仕事なので、できるだけ偏りなく選んではいますが、それでも嫌いな(好みでない)絵本は絶対に講座やセミナーでは読まないし、誰かに薦めることもしませんし、当然、手元にも置きません。
まあ、個人的な好みにすぎませんから、どの作品かはあえて書くことは控えますね。
興味のある方は、直接お会いしたときにお尋ねいただければ、あなただけにこっそり打ち明けたいと思います。
*ちなみに、ここに挙げた作品全部大好きです。